強迫性障害を抱える公認会計士のブログ

強迫性障害で休職・復職を経験した公認会計士が、日々の生活で実施した治療行動を記録しています。

強迫性障害を克服する秘訣

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治療

原井クリニックにおける3日間の集団集中治療の最終日、私は自宅へ戻る道中、銀座で踊った時の「楽しい」という感覚を思い出していました。強迫観念のない「楽しい」という感覚、それは、中学3年生から強迫性障害に悩まされる以前の私の感覚でした。銀座で踊るということが、なぜ私を強迫性障害から抜け出させるきっかけになったのか、私は考えていました。

  • 強迫性障害の自分とそうでない自分
  • 絶対にやってはいけないことをやる
  • 社会復帰までの1か月

 

強迫性障害の自分とそうでない自分

銀座で踊った時、私は一時、強迫性障害から抜け出していました。踊り終わってからは、またもとの強迫性障害の症状が出始めましたが、一時でも抜け出すことができた経験が治療への大きな一歩となりました。強迫性障害の時の自分と、そうでない時の自分の違いを比較検討することができたのです。

銀座で踊るという行為は、強迫性障害の私からは絶対にありえない行動です。以前にも記載した通り、私の症状は失敗することに恐怖を感じ(強迫観念)、失敗しないように事前に対策を考え続ける(強迫行為)というものです。したがって、公衆の面前で下手なダンスをするという失敗をさらすようなことは絶対にやってはいけないことなのです。しかし、その絶対にやってはいけないことをすることで私は強迫性障害から一時抜け出すことができた、という事実に気づきました。

私の症状は過去記事を参照してください。

kyouhakucpa.hatenablog.com

 

絶対にやってはいけないことをやる

失敗を恐れる私の強迫観念は、当然ですが、失敗しそうなことは絶対にしません。ですから、私が強迫性障害で苦しんで、何とか改善策はないかといろんな本を読んだり、インターネットで調べたりして情報を集めても、失敗しそうなことは採用しませんでした。正確には、怖くて採用できませんでした。こうして、強迫観念に従って行動する限り、強迫性障害の患者は非常に狭い範囲でしか行動できず、結果的に正しい治療法にたどり着くことができなくなるのではないかと思います。

私が3日間の集団集中治療で悟ったことは、「絶対にやってはいけないことをやる」、これこそが、強迫性障害を治療する方法なのだということです。振り返ってみれば、漢字のとめはね、偏(へん)と旁(つくり)の間隔、字体の違いにこだわって勉強が進まなかった学生時代を思い出しても、結果的に適当に判断して書いても成績に大差はありませんでした。「絶対にやってはいけない」と言っているのは強迫観念であって、決して真実ではなかったのです。

 

社会復帰までの1か月

強迫性障害は、治療に時間のかかる病気です。3日間の集団集中治療にも2回目の参加者がいたように、継続的な治療を怠れば再び症状がぶり返します。私は、3日間の集団集中治療で悟った「絶対にやってはいけないことをやる」というトレーニングをその後1か月ほど継続し、自力で継続的に改善できることを確認したうえで、復職することにしました。

3日間の集団集中治療に参加したのは7月下旬でしたので、8月を自主トレーニング期間として9月に会社に復職する計画を立てました。ここからは、「絶対にやってはいけないことをやる」という大原則のもと、私が自ら考えて、実施したトレーニングの内容を紹介していきます。これから強迫性障害を治療しようと考えている方の参考になればと思います。